アジアの才能ある画家の一人として知られるヴァン・ズオン・タイン画家の作品は現在、世界16ヵ国の国際美術館に展示されています。
アジアの才能ある画家の一人として知られるヴァン・ズオン・タイン画家の作品は現在、世界16ヵ国の国際美術館に展示されています。
アジアの才能ある女性画家の一人として知られている画家ヴァン・ズオン・タイン。
貧しい女学生とベトナム絵画の巨匠との出会いから...
12歳の時、画家ヴァン・ズオン・タインはベトナム美術大学の門をくぐりました。子供の頃からの文学愛好家として、常に文芸新聞に関心を抱いていました。特に彼女のような貧しい学生にとっては発行部数が少なくて注文が多いため、新聞の価格は安くはありません。
ヴァン・ズオン・タインはたまたま新聞を手にし、イラストではありますがベトナムの巨匠たちの絵を初めて見ました。「ブイ・スアン・ファイ、ヴァン・カオ、グエン・サンなどのイラストを見てとても感動しました。文芸新聞を買うために朝食代の5ドンを貯めました。読み終わったら、先生たちのイラストを切り取って記念に手帳に貼りました」と彼女は回想しています。
作品を通じて画家ヴァン・ズオン・タインと交流する視聴者。
時が経ち、17歳のとき、ヴァン・ズオン・タインは兄に連れられて友人を訪ねました。「その集まりで、私は細く、高い鼻、やせた顔、しかし明るい目、ゴッホの目と同じくらい美しい人を見かけました。ブイ・スアン・ファイだとすぐに分かりました。私は彼に挨拶し、彼の名前をはっきりと呼びました」と画家ヴァン・ズオン・タインは絵画の旅における彼との重要な出会いを思い出しました。
ヴァン・ズオン・タインは20歳からベトナム国立美術館に作品を展示している最年少の女性画家で、その作品は油絵「白菊」です。
その時、ブイ・スアン・ファイ画家は驚き、ヴァン・ズオン・タインに尋ねました。「ところで、なぜ私のことを知っているのですか?」。小さなヴァン・ズオン・タインは「文芸新聞を買うために朝食を食べなかったからです。あなたとあなたの友達のイラストを切ってコレクションにしていました。私は本当にそれが好きです」と無邪気に答えました。画家のブイ・スアン・ファイは12歳の美術学校の生徒ヴァン・ズオン・タインの話しを聞いた時、一言も言葉を発しませんでした。タイン画家は「沈黙の瞬間があり、彼の目は涙に濡れていました。当時、彼はとても貧しく、仕事もなく、7人家族が25平方メートルの部屋に住まなければなりませんでした。しかし、美術学校の生徒から賞賛され、彼のイラストが載っている新聞を買うために絶食していたとは思いもよらなかったのでしょう」と語りました。ズオン・ヴァン・タインは後に彼女の人生とキャリアに大きな影響を与えたベトナムの絵画の先生との最初の出会いを思い出しました。
その年の出会いの後、ヴァン・ズオン・タインは常に自分は画家のブイ・スアン・ファイの生徒だと考えていました。彼女にとって、画家ブイ・スアン・ファイは教師以上のものであり、直接学んだことはありませんが精神的な教師です。「絵画技法、配色、芸術的ビジョン…しかし、何よりも生き方、芸術家の人生に対する態度、芸術家が絵画に携わる際のエネルギー、生涯を自らが選んだ理想に捧げる….これらはブイ・スアン・ファイ画家から学んだことです」と画家ヴァン・ズオン・タインは語りました。
ヴァン・ズオン・タイン画家の抱負
1980年、画家ヴァン・ズオン・タインは文化研究所(文化体育観光省)に勤務し、その後、語学修士号を取得するためにスウェーデンに派遣されました。卒業後、彼女はアジア人として初めてスウェーデン語で美術を教えました。彼女はまた、海外の学生に愛され、称賛された最初のベトナム人画家でもあり、彼女にちなんでThanh-Gruppenと名付けられた美術協会を設立しました。
外国語に堪能で、絵画技法に堪能なヴァン・ズオン・タインの絵画は、すぐに世界中の多くの国で反響を呼びました。ベトナムの魂が染み込んだ彼女の絵画は現在、世界中の16ヵ国の国立美術館で展示されており、女性アーティストに贈られる多くの名誉ある賞、特に CFMI による「国際的な卓越性の芸術」賞を受賞しています。
ヴァン・ズオン・タインの絵画はアジアとヨーロッパの様式が調和しており、現代の西洋絵画の技法が微妙に用いられています。バランスの取れたレイアウト、鮮やかな色彩、鮮やかな表現、豊かな音楽性と少しの抽象が混ざり合った大胆な作品はヴァン・ズオン・タイン独自のスタイルを生み出しています。
画家のヴァン・ズオン・タインは1995年と19957年の二回、CFMの国際優秀芸術プログラム(アメリカ、フランス)に選ばれた最初のベトナム人でした。また2018年と2019年に国際女性リーダーフォーラムから賞を受賞しました。
落ち着いた色から鮮やかな色まで、穏やかな筆遣いから強い筆遣いまで民俗学と抽象芸術を巧みに組み合わせたヴァン・ズオン・タイン画家の絵画は祖国への愛と懐かしさ、愛情、感情に満ちています。これはヴァン・ズオン・タインの創作における主なインスピレーションでもあります。ベトナムらしさとベトナムの魂は常に強く、彼女は「ベトナム文化のメッセンジャー」としても知られています。
ヴァン・ズオン・タインの絵画の滑らかでダイナミックな黒の筆運びは二度と再現することができないため、彼女の絵画はD.I.Cホテル、スターホテル、パシフィックプレイスビル、ビナキャピタル、ギャラリーピオニー&アイリス、国内外のコレクターなどの公の機関に収蔵されています。
1,800点の絵画、85回の個展を通じて画家ヴァン・ズオン・タインは海外の人々と母国ベトナムとの間の友情と理解を高めました。彼女の願望は芸術的才能の育成に貢献することです。ドローイング・スタジオ「ホワイト・ロータス」(ハノイ市ギ・タム通り210-C29)は長年にわたり、芸術的才能を持つ子供たちのために絵画を教えてきた場所です。今日までに指導した学生の多くは国際的な大学に入学しています。また、何十年もの間、ヴァン・ズオン・タイン画家は恵まれない子供たちのための資金を集めるために多くの作品を競売にかけ、ハノイの国連(UNDP)による開発計画の飢餓撲滅と貧困削減プログラムのために非営利ギャラリーを3年間開いてきました。またオークションに作品を寄付して、米国の才能あるベトナム人学生のための奨学金の資金を集めています。
「ヴァン・ズオン・タイン画家は過去の自分のような子供たちにインスピレーションを与えたいと考えています。彼らは絵画の才能に恵まれていましたが、困難な環境にありました。小さなヴァン・ズオン・タインは成功するために困難を克服したのだから彼らもそれを行うでしょう。ただあなたの夢と願望を叶えるために」と画家ヴァン・ズオン・タイン画家は自らの願望を実現するためにベトナムに戻った理由について語りました。
文:タオ・ヴィー
写真:タイン・ザン、ベトナムフォトジャーナル
翻訳者:ホアン・ミン・フオン